標準引越運送約款とは、引越し業者と消費者側のお互いを守るために定められたルールのようなものです。
細かく読みにくい文字で書かれているため、重要な点をまとめておきますので、引越し業者よりおかしなことを言われたり不明な点がある場合は一度ご参照ください。
目次
第2章見積もり(内金手付金の禁止)
見積もりは無料ですが、引越し元や引越し先の下見が必要な場合は、下見料を請求されることがあります。
たとえば、引越し先への大型家具の搬入可否確認など、立地条件を下見に行った場合ではその費用を請求できるようになっています。
ただし、下見料を請求するには事前にお客様の了解が必要です。
また、見積もりの際に内金や手付金を請求されることはありませんのでご注意ください。
第3章運送の引き受け(拒否できる荷物)
運送業者は荷物の引き受けを拒否する事が出来ます。
- 現金や有価証券、貴金属や通帳などの貴重品
- 動植物やピアノ、美術品や骨とう品など
- 火薬類や危険物類など
これらの荷物は業者に伝えず紛失や破損しても保証対象外になるため、ご自身で運ぶか専門の業者に運搬してもらうようにして下さい。
第7章事故(危険物の処分)
荷物が危険品であったり、その他の荷物に損害を及ぼす恐れである事を運送中に知った場合は、その荷物は業者判断で処分されます。
また処分にかかった費用は、お客様が負担することになります。
第8章運賃(キャンセル料)
引越しは契約後もキャンセルをする事が可能です。クーリングオフもありません。
キャンセル料が発生するのは、前々日で20%以内、前日で30%以内、当日で運賃の50%以内となっています。
また見積もり額全体では無く、運賃に対してキャンセル料が発生する点をご留意ください。
たとえば、梱包資材費や荷造り費用、不用品の処分等を依頼した場合にかかった費用は全額請求されます。
その他、個人の事情で引越し日を延期した場合も同様に料金が請求されます。
それ以外であれば、いつでも解約可能です。
第8章の第19条(見積もり書と内容が異なる場合の返金)
引越し業者は見積もり書に記載された内容通りの作業を行わなければいけません。
例えば、
- 当日になりトラックのサイズが小さくなった、
- 実費に含まれてるはずの養生をしてくれない、
- 作業員が少なくなったなど変更された場合は、
その差額を、業者側がお客様に返金しなければいけません。
反対に、
- 当日になり他の場所に荷物を取りに行ってもらった、
- 荷物量が増えた為トラックの変更をする必要が出たなど、
運賃に変更があった場合には、追加料金として業者側から請求されることがあります。
ただし、追加料金の発生時には、事前にお客様に伝え承諾を得る必要があります。
第9章責任(紛失や破損)
荷物の紛失や破損があった場合は、受渡日から3ヶ月以内に通知をしなければいけません。
壊れやすい荷物や劣化する荷物は、事前に業者の確認を取らなければならず、告知をせずに破損した場合は業者側は責任を負いません。
その他、荷物の保管や運搬について、業者側に過失がなかった場合には損害賠償を負わすことは出来ません。
第9章の第26条(遅延による損害)
輸送が遅延したため、損害が発生した場合は(仕事を休む羽目になった、ホテルに宿泊しなけばいけなくなったなど)見積もり書の運賃合計額の範囲内で賠償対象となります。
ただし、業者側に過失があった場合のみです。
過失とは不注意で業者がミスをした場合が該当します。(渋滞に巻き込まれた、事故、災害などは該当しません。)
最後に
約款に記載されている内容は引越し業者は破る事は出来ません。もしも、話し合いで解決しない場合は、国土交通省や全日本トラック協会に相談される事をお勧めします。
国土交通省が告示している標準引越し約款を参照していますが、改正されている場合や、業者独自の約款を採用している場合もあるため、気になる点は契約前に確認をして下さい。
(2022年8月調べ)